【6月8日付】鳥取市で「渡されたバトン」上映・討論集会 原発から再生エネルギー転換へ

 映画「渡されたバトン さよなら原発」実行委員会は5月31日と1日、鳥取市で上映会とトークセッションを開きました。
 元「青谷原発設置反対の会」事務局の横山光氏は「鳥取県・青谷にもあった原発計画~市民の反対運動」について、「島根原発・エネルギー問題(島根)県民連絡会」事務局の安達進氏は、原発から再生可能エネルギーへの転換を求める「みどりのエネルギー条例」制定請求運動について報告しました。
 横山氏は、1981年に地元紙が青谷町長尾鼻(現鳥取市)を山口県上関と並んで原発(110万㌔㍗を3基)の有力候補地だと報道し、平林知事(当時)が受け入れを示唆して以来、短期間に大規模な運動を起こして阻止できたとのべました。
 横山氏らは「反対の会」を立ち上げ、物理学者らを招いて学習会を開き、農協職員や総評の協力を得てビラを全戸配布し、気高郡連合婦人会は郡内有権者の過半数を超える署名を集め、集落ごとに学習会を開き、町議会は国と県への反対意見書を上げ、東部、中部、西部にネットワークが設立され、各界代表者による反対アピールを発表し、一坪地主による「土地の共有化」で中電に原発建設を断念させたことを報告しました。
 島根原発から2・7㌔の地点に住む安達氏(旧鹿島町)は、女性団体が上げた風船が京都、石川、滋賀、愛知の各府県に届き、鳥取まで2時間で到達したとのべ、逃げるスピードより速いので被ばくは避けられないと指摘しました。
 1975年から35年間で旧鹿島町の人口は16%減り、旧島根町の人口は23%減り、原発は地域活性化に役立っておらず、漁業補償で漁民が潤ったが、交付金はハコモノに消え、地場産業が育たず、雇用も建設時の一時的なものだったと話しました。
 「みどりのエネルギー条例」は、地球環境の保全、循環型社会の実現、原発からの脱却、省エネ・再生可能エネルギーの普及、地域でのエネルギー自給をめざし、昨年10月22日~12月21日の間、住民投票条例の直接請求署名運動に取り組み9万人を超えたが、議会の反対多数により不採択となったと報告しました。
 賛成は、日本共産党の県議2人を含む7人で、今後は連携して脱原発の取り組みをすすめたいとのべました。
 島根県は、再生可能エネルギーを40倍にしないと電力を自給できないと言ったが、水力発電を算入せず、省エネも考慮していないと批判。大中小の水力発電、熱供給を勘案し、省エネで消費量を半分にできれば、現在の5倍程度で賄えるとのべました。