【5月5日付】鳥取市ふなおかふるさとシンポジウム CWニコル氏 農林水産業が健康でないと国が滅びる

 鳥取市のふなおか共生の里づくり推進協議会は3月31日、同市船岡町で「ふなおかふるさと」シンポジウムを開きました。
 作家で環境保護活動家のCWニコル氏が基調講演。TPP(環太平洋連携協定)、シカ被害、農業後継者が育たない問題について質問が出て、ニコル氏は「農林水産業が健康でないと国が滅びる」「シカは専属の若い猟師を相当数育てるしかない」「英国では有機農業がすごく増えた。健康によい物は売れる」などと答えました。
 2部では、NPO法人学生人材バンクの田中玄洋代表のコーディネートで八頭中央森林組合の前田幸己組合長、農事法人八頭船岡農場の鎌谷一也事務局長、船岡町地域おこし協力隊の渡辺萌生さんがパネリストになり討論しました。
 前田組合長は、木材の輸入自由化で自給率が2割を切り、材価が暴落し、スギ1立方㍍が6000円(20㌢の丸太4㍍が900円弱)と1万円以上かかる生産費を大きく下回っていると指摘。国の補助金があるうちと作業道を付けて搬出できるようにしているが、いつかは打ち切りになると懸念を表明しました。
 鎌谷事務局長は、法人が耕作できなくなった水田を引き受けたり、飼料用稲・米を作って水田を維持し、耕作放棄地を水田に還し、農地と農村を守っている活動を報告しました。