【6月23日付】科学者会議アベノミクス講演会  格差と貧困が大規模に広がる

 日本科学者会議鳥取支部は1日、鳥取大学でアベノミクスについて講演会を開き、藤田安一教授が講演しました。
 藤田氏は、アベノミクスで格差と貧困が大規模に広がると警告しました。
 アベノミクスは、デフレ不況の原因を貨幣的現象(日銀が貨幣を大量に流通させないから)ととらえるが、「非正規雇用の拡大、リストラ、賃金低下、生産拠点の海外移転などで国民の所得が減少し、購買力が減少した」と見るべきだと指摘しました。
 貨幣の過剰供給は、貨幣価値の低下・物価の上昇を招いて、急激なインフレとバブルを起こし財政破綻につながるが、そのうえに公共事業を乱発すれば借金の山を築き、財源の国債の残高が膨張し日銀しか引き受け手がなくなるとのべ、戦前の二の舞になりかねかいと警鐘を鳴らしました。
 成長戦略も、雇用の非正規化、解雇規制の撤廃、TPP参加で国民の所得を減らし、さらに増税、社会保障の改悪をすれば、不況をひどくすると指摘。円安で石油、小麦、電気・ガス料金と物価は上がり、家計と中小企業の経営を圧迫し、格差と貧困を広げているとのべました。
 不況を打開するためには、国内産業である農林水産業と中小企業を成長産業として支援し、GDPの6割を占める個人消費を増やすために国民の所得を増やし家計を支援することだと強調しました。