【11月3日付】鳥取県社保協が講演会  生存権の解釈改憲許すな

 鳥取県社会保障推進協議会(藤田安一会長)は10月19日、二宮厚美神戸大学名誉教授を招いて北栄町で講演会を開き、110人が参加しました。
 二宮氏は、昨年の総選挙で自民党とともに維新の会など改憲をめざす「第3極」が躍進したが、参院選では「第3極」が敗北し、日本共産党など護憲勢力が躍進したと指摘。憲法、原発、TPP、消費税、社会保障など改悪反対の一点共闘を広げ、安倍政権にレッドカードを突きつけようと呼びかけました。
 憲法で9条、25条を持たない国の典型として「戦争国家」の米国をあげ、貧困層が住宅と医療サービスを手に入れる近道は軍人になることであり、「福祉国家」の対極にあると強調しました。
 安倍政権による憲法9条の解釈改憲について、地球上どこでも米国と共に戦争できる国にしようとしていると警告。さらに、「税・社会保障一体改革」で基本的人権の根底にある生存権を保障する社会保障(憲法25条)を〝解釈改憲〟して、自助・共助に置き替えようとしていると告発しました。
 自助・共助は昔からあったもので、「掛け金を出し合って金要りのときに給付する村ぐるみの頼母子講(たのもしこう)のような共済制度があり、幕末の貧困がまん延する農村では寺に雇われる〝寺男〟が5人に1人だった」とのべました。
 また、労働組合や共同組合は互助組織として出発し、一定の組合費や拠出金を出す代わりに、死亡や失業の際に給付を受けられるようにしたものだと指摘しました。
 金融資産を5千億円持つスーパーリッチは、1日に1200万円以上の利息が付き、生活費を除く1200万円弱を税金に納めても資産は減らないとのべました。
 社会保障の財源について質問があり、年間GDPは500兆円で社会保障の国負担分30兆円は十分賄えると強調しました。
 国債が基本的に国内だけで賄えるのは、大企業、資産家、金融機関に余剰金があるためであり、国家財政を賄うために国債で吸い上げるか、税金で吸い上げるかのちがいだとして、財政健全化のために課税するよう主張しました。