【11月10日付】鳥取県憲法会議が学習会  独裁を許さないため憲法を守ろう 少数者保護は民主主義に不可欠

 鳥取県憲法会議は憲法記念日の3日、憲法学習会を米子市で開きました。高橋真一弁護士が「憲法をどのようにして守り活かすか~若手弁護士と一緒に考えよう~」と題して講演し、「憲法がなぜ少数派を保護するのか」を語りました。
 高橋氏は「外国人参政権」「君が代伴奏拒否」を認めない最高裁判例は、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」(第97条)とする憲法に合致しないと指摘しました。
 そのうえで憲法と多数決の問題について次のように解説しました。
 「私たちは、何か(差し迫った問題に対する対応)を決めるときに多数決で決めます。しかし、多数決で決めたことがまちがうこともあります。実際にやってみてうまくいかないときに、早い段階で修正する必要があります。修正できなければ、取り返しがつかない結果になることがあります(戦争や原発事故など)。そうならないために、少数派の意見を取り入れて修正できるようにしておく必要があります。
 憲法は、多数派が選んだ権力が少数派を封殺することがないように少数派の基本的人権を保障しています。民主的に議論して多数決で実践した結果、失敗したときに、少数派の意見が生きる(議論を経て多数派になる)保障がないと誤りを修正できません。
 憲法が、多数派(の選んだ国家権力)が侵してはならないものとして基本的人権を中心に据えるのは、人民が権力者と闘ってきた歴史的背景があります(第条で「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」と規定)。
 歴史の中で人類が侵してきた過ち(戦争、虐殺、重大な人権侵害など)は、多数派(権力)の暴走によって引き起こされました。
 ヒトラーは、ひとたび人民多数の意思によって権力を獲得すると、ワイマール憲法(立憲主義)を葬り去り、独裁体制を敷きました。このような独裁者が生まれないように権力者を縛り、反対者への弾圧を許さない体系を憲法は持っています。
 少数者の権利、個人の多様なあり方を認める社会が奪われようとするとき、憲法が闘う拠り所となります。『空気を読めないやつ』が大事です。多数とちがう意見をもつこと、多様な意見や見方が存在することが大事です」
 高橋氏は、さらに、自分の現状や将来に希望がもてずに「憲法改正」で世の中が変わることに期待を持ったり、中国や北朝鮮に不安をもつ若者の疑問や意見をあげ、「漠然とした不安や不満、政治的無関心がヒーロー待望論を生むが、実際、憲法が変えられたら(あるいは解釈改憲で集団的自衛権行使が可能になり、秘密保護法ができたら)軍事が突出して社会保障や教育は削減され、自由がない社会になる」「外交力のない日本政府は軍事力に頼ろうとするが、丸腰(憲法9条)で日本を守ろうとすれば相当な外交力がいる」とのべました。
 高橋氏に対し、男性(31)から「外交力は軍事力の強さに比例するのではないか」と疑問が出て、参加者で討論しました。秘密保護法などの問題点も出され、男性は「若者には危機感がない。立憲主義が壊されることが、どれほど危険なことか知らせることが大事だ」とのべました。