【11月17日付】鳥取市が庁舎新築移転方針発表  竹内市長が住民投票に反して暴走

 竹内功鳥取市長は8日、市立病院跡地に本庁舎を建設する「新築移転」方針を改めて発表しました。
 市役所本庁舎の移転・新築をめぐって昨年5月に住民投票がおこなわれ、「耐震改修」案を求める投票が6割を占め、「新築移転」案は退けられました。
 しかし、竹内市長は「耐震改修」案は実現不可能などとして、今年6月に駅南庁舎の活用と市立病院跡地に新庁舎を建てる方針を発表していました。
 今回は、改変した「耐震改修」案を含む4つの案を提示し、29日までの意見募集を呼びかけています。
 住民投票時の「耐震改修」案は、改修後の本庁舎が総床面積5900平方㍍、新第2庁舎が4380平方㍍(駐車場を除く床面積3650平方㍍)と半地下駐車場でしたが、今回市が提示した「耐震改修」案は、改修後の本庁舎が6800平方㍍、新第2庁舎が1万600平方㍍と立体駐車場になっています。
 建設費は、住民投票時の20億8千万円から58億7千万円になっています。市の「耐震改修」案は、本庁舎・新第2庁舎の総床面積が当初の1・8倍になり建設費が大幅に増加しています。
 また、本庁舎の耐用年数を65年とみて耐震改修後十数年で建て替える構想で、維持管理費を含めたライフサイクルコストが約245億円と過大な見積もりになっています。
 これに対し「新築移転」案は、総床面積1万7400平方㍍、建設費は65億6千万円で、ライフサイクルコストは約209億円となっています。
 耐用年数については、「市役所より2年古い県庁は耐震改修後50年もたせるが、なぜ市役所は耐震改修後十数年で建て替えるのか」の議論を再燃させることになります。
 法定耐用年数は、県庁本庁舎も市役所本庁舎も65年ですが、実際は、鉄筋コンクリートの状況によって異なり、コンクリートの中性化などの劣化がすすんでいない場合(県庁本庁舎も市役所本庁舎もこのケース)、地震を考慮しなければ100年もたせることも可能です。
 鳥取市の五臓圓ビル(3階建て)は築82年ですが、耐震・補強工事をして保存活用されています。
 日本共産党の伊藤幾子市議は「市民は住民投票で新築移転を否定したのであり、耐震改修はできる方法でやればいい。住民投票で示した耐震改修案がその通りできなくても、耐震改修ができないわけではない。来年4月に市長選を控えており、検証が必要な新たな4案を持ち出すことは無責任」と話しています。