【5月18日付】鳥取市河原城で甲冑展  工芸技術の粋尽くした甲冑

 鳥取市の河原城で甲冑展が開かれています。(5/18日まで。)
 甲冑とは、鎧(よろい)、兜(かぶと)のことで、よろいは胴体に着用する防御具で、かぶとは頭部の防御具。素材は鉄、金銅、皮革などで、戦国時代以降は名工による芸術作品が多く見られます。
 甲冑の種類は、平安時代中期に出現した大鎧、大鎧を簡略・軽量化した胴丸、鎌倉時代に出現した前銅を覆うだけの腹当、室町時代に大流行した腹巻、旧制の大鎧、胴丸、腹巻に対して戦国時代に始まった新形式の具足があります。
 黒田官兵衛の嫡男・黒田長政が所有していた大水牛角脇立の具足、黒漆塗一谷兜、鳥取藩主池田家由来の品々、種子島(銃)、矢、早合(火薬と弾を一緒に入れた筒)、胴乱(弾丸や火薬入れ、早合、梅干し、山椒の実を入れて携行する革製のポーチ)、種火入れなどが展示され、解説がついています。
 種子島(火縄銃)は、丸い鉛弾を発射し、命中精度はライフルよりも劣るものの威力があり、直撃すれば厚い鋼板も貫通し、分裂した鉛弾が胴体内にバラバラに飛散するため、完全装備の具足をまとっていても胴体に命中すれば、まず助からなかっただろうと言われています。