【10月5日付】鳥取市で認知症講演会 早期治療で進行抑制

 鳥取市で9月23日、認知症の予防・治療の講演会が開かれました。鳥取大学医学部の浦上克哉教授が講演し、事前に寄せられた質問に答えました。
 浦上教授は、認知症は発見から受診までに平均で9カ月半がかかっていて、主な理由は「本人が嫌がる」「年齢によるものと見逃している」などで、徘徊や暴力で家族の手に負えなくなって相談に来るケースが多いと指摘。
 早い段階で治療・対応することで認知症の進行を抑制することができるとして、早期発見・早期治療が大切だと強調しました。
 年齢によるものと認知症の違いは、認知症の場合は①時間や日時②身近な家族の名前③大事なものや約束、メモ―などがわからなくなり、「食事をしたこと」や「大切な物をしまったこと」を忘れたり、同じことを何度も聞くようになるとのべました。
 認知症は、薬の飲み忘れがあるので、「家族は飲み込むまで見守ってほしい」「患者本人の気持ちを大切にした対応で症状は和らぐ」と訴えました。
 根治薬の可能性についての質問に、「アルツハイマーの(認知症原因の7割)を引き起こすアミロイドβタンパク質を洗い流す薬が開発中」だと答えました。