【1月18日付】鳥取県議会で錦織陽子議員質問 大規模農家もコメ収入減って苦しい

 鳥取県議会で昨年12月12日、日本共産党の錦織陽子議員が、生活困窮と生活保護行政、米価暴落とTPP、中海の水質浄化、淀江産廃最終処分場計画の中止について一般質問しました。岸田悟農林水産部長は、大規模農家もコメ収入が減って苦しいとのべました。


 錦織議員は、生産者米価が暴落してコメ生産をやめる農家が県内に広がる恐れがあるとして、半減したコメ直接交付金をもとに戻し、県として米価、物財費を直接補てんするよう求めました。


 岸田部長は、県内の米価暴落による減収は、ならし対策で11億円補てんしても19億円になると報告。大規模農家は経営が苦しくなり、飼料用米、園芸作物への転換を検討し、中規模農家は「兼業収入があり、機械が使える間は作りつづけたい」と言っていると答えました。


 コメ直接交付金半減の影響は大変大きいが、飼料米作付け拡大と日本型直接支払いでカバーできると思うとして、「国に交付金復活は求めない。需給調整による米価の安定を国の責務として求める。県の直接補てんは考えない」と答えました。


 錦織議員は、大企業と大資産家がもうけただけで、実質賃金と年金は下がり続け、中小企業は経営不振・倒産に陥り、消費税増税、円安による物価高が県民生活を直撃し、景気悪化をもたらしているとアベノミクスの失敗を指摘。


 生活保護世帯は増え続けているが、①住宅扶助(米子市で単身上限3万4千円)引下げが検討されており、国に引下げ中止を求めること、②貧困の連鎖を断つためにも学問の保障は欠かせず、高専の専攻科進学で切られる生活保護費を卒業まで継続できるようすること③来年4月から施行される生活困窮者自立支援法が、生活保護を受けさせないための「沖合作戦」にならないように、生活困窮者の立場に立った運用をすること④昨年から生活保護の冬季加算が減額され、ガスや電気代も値上がりして生活が厳しく、低所得世帯に対する福祉灯油の実施―を要請しました。


 平井知事は、貧困の世代間継承を断ちきるために学問を社会的に保障することは重要だと認め、公教育の無償化などをあげました。福祉灯油は、国の動向を注視して県として適切に対応するとしました。


 松田佐惠子福祉保健部長は、「高校および高専は配慮されている(分離されない)。大学進学者は分離され奨学金を受けるが、それ以外の人は保護を受けることが可能」として、専攻科進学者に対する保護を求める考えはないと答えました。


 住宅扶助は、財政制度等審議会で低所得世帯より2割程度高いという指摘がなされ、引下げについて言及され、社会保障審議会で審議されているので注視したいとのべました。


 生活困窮者の自立支援法は、自立相談支援事業(失職等で住宅を失った人への家賃等の住宅確保給付金や、就労準備金、一時生活支援事業や相談など)をおこない、人材育成に努めたいとしました。


 錦織議員は、中海の環境修復のために森山・大海崎両堤防の開削を島根県側に求めるよう要請。平井知事は、中海の環境を取り戻すために、開削は効果ある対策の一つだと、現在でも中海会議で問題提起していると答えました。


 錦織議員は、岡山市御津虎倉産廃処分場差し止め裁判の判決が、①遮水シート破損の高度の蓋然性(破損の可能性が高い)を認め、ダイオキシン類等の有害物質による水、大気、土壌の汚染②調整池の容量不足を指摘している点をあげ、汚染の度合いはゲリラ豪雨などで今後深刻になるとのべ、計画の白紙撤回を求めました。