【8月9日付】米子市で平和のための戦争展ー核兵器廃絶は日本がカギ

 「平和のための戦争展」が1日、米子市で開かれました。主催は同実行委員会。元広島平和文化センターのスティーブン・リーパー氏が講演し、日本がアメリカの核の傘を抜け出し、核兵器廃絶の先頭に立てば、核兵器は廃絶できると強調しました。


 リーパー氏を交え、日中友好協会の新庄裕子氏、鳥取の戦災を記録する会の大森正冶氏、鳥取生協病院の斎藤基院長、歌手の森田さやか氏がパネルディスカッションしました。


 リーパー氏は、世界は核兵器廃絶か核兵器拡散かの分岐点に立っていて、「多くの国が保有すれば、使われるのは時間の問題だ」と指摘し、核兵器がIS(イスラム国)やアルカイダの手に渡る危険を強調しました。十数発の水爆の使用は、核の暗黒(煤煙が太陽光の1割を遮り寒冷化)をもたらし、食糧難、放射能汚染によって数十億人の人々が死傷するとのべました。


 さらに、「米国などの力による支配=戦争文化、上層部が物事を決めて上層部の利益のために人々を働かせる、大量に生産・消費し、地球が処理できない廃棄物を出すシステムを終わらせなければ、人類は滅びる。政治家は財界という会社の従業員で、財界がみんな決めている。人類の生存より競争(企業間の、あるいは国家間の)に勝つ方が大事だ」とのべ、地球温暖化、海面上昇、環境破壊、資源の枯渇、海の酸性化による魚の死滅、海の貧酸素化による酸素の供給の減少、森林破壊など人類の直面している危機をあげ、日本が食料自給率を上げ、低エネルギー・低消費社会、自給自足社会を実現し、世界のモデルとなるよう提唱しました。


 日本は、すでに50基以上の原発と核燃料プールがあり、戦争では攻撃対象になるため「戦争できない国になっている」とのべ、アメリカの家来になって戦争するのではなく、平和のリーダーになってほしいと期待しました。


 会場では、映画「望郷の鐘」上映、森田さやかミニライブや従軍カメラマン村瀬守保写真、原爆パネル、戦時中の教科書や遺品の展示、すいとん試食、戦争体験者の話などが行われました。