【9月13日付】作家の松本薫さん戦争法案訴えーアメリカの戦争に命も自由も差し出す

 作家の松本薫さんが米子市の8・30集会で行ったスピーチが感動を広げています。要旨を紹介します。


  今日も、いてもたってもいられない気持ちでここに立っています。


 集団的自衛権の行使を可能にする、安保関連法案は、国民の生命、自由、幸福を守るためのものだと、安倍首相は言っています。本当にそうでしょうか? この間の国会審議を見ていると、私にはとうていそうは思えません。アメリカの戦争に、お金を出し、自衛隊員の命を差しだし、危険を肩代わりするための法案だとしか思えません。戦争ができるようにするための法案です。国民の命や自由を危険にさらす法案です。憲法に違反しているのは明白です。


 そんな法案を、なぜ今、むりやりに通さないといけないのか、私にはまったくわかりません。安倍さんがアメリカに行って約束してきたからですか? 安倍さんの個人的野望のためですか? 武器輸出をすすめたい軍需産業のためですか? 国民の多くが、本当に多くの人が、この法案に反対だ、説明不足だ、と言っているのに、その声にまったく耳を貸そうともしないのはなぜですか?


 こんな人が日本の首相であることに、強い怒りを覚えます。こんな首相をヨイショしている自民党、公明党に深い絶望を感じます。安倍首相、この国は、あなたの私物じゃない。私たちの命も、私たちが収めている税金も、あなたのものじゃない。


 先日、女性と子どもが中心になって、この米子で平和パレードをおこないました。子どもたちが先頭に立って歩きました。子どもたちにも不安を感じさせているのだと思うと、大人として申し訳ない気持ちでいっぱいです。


 でも、いま私は希望も感じています。今日は、国会前で10万人、全国各地で100万人規模の抗議行動が展開される日です。沢山の人たちが、友だちと誘い合って、家族と、そして子どもを連れて、国会前に集まるでしょう。この法案を通さない、絶対に止める、その声を、国会に突きつけるでしょう。


  自民党・公明党の独裁政治は、私たちの中に眠っていた民主主義を起こしました。この国の主役は、私たち国民一人ひとりなのだという自覚を、呼び覚ましてくれました。だから、たくさんの人が、国会前、また全国各地で集まり、自分の言葉で語り、デモをしています。民主主義・立憲主義が破壊されようとしている今、その逆境の中から、本物の民主主義が力強く生まれてきているのを感じます。


 戦争に正義なんてありません。正義のための戦争なんてない。平和のための戦争なんてありません。そのことを、先の戦争を体験した方々はよくわかっています。戦後70年のこの夏は、地元紙日本海新聞の紙面に、平和を願う投書があふれました。その方々の記憶と思いを受けつぎ、これから先も平和を守り続ける、それが日本の誇りだと思います。私たちは、戦争放棄をうたった素晴らしい憲法を持っています。


決して戦争はしないというこの理念を、世界に広げていくことこそが、本当の積極的平和主義です。


 私は、鳥取県選出の国会議員の方たちに言いたい。本当にこのまま法案を通していいんですか? あなたの良心は痛みませんか? どうか国民の立場に立って、自分の頭で考えてください。国民のために仕事をするのが、あなたたちの使命でしょう。こんな法案を通すために、鳥取県民は、あなたたちを国会に送ったわけではありません。


 私は、私個人は何の力もない人間だけど、ここに集まったみなさんと、今日行動するすべての方たちといっしょになって、この戦争法案を絶対に止めます。安倍政権を退陣させます。それは、本当にもうすぐそこです。私たちの未来のために、子どもたちの未来のために、みんなで頑張りましょう!