【4月10日付】鳥取市で地域イノベーション研究報告ー国の地方創生で地域疲弊

 鳥取環境大学地域イノベーション研究センターは3月4日、鳥取市で研究報告会を開きました。千葉雄二センター長は、国の「地方創生」は地方の地域資源を枯渇させるとのべました。


 千葉氏は、国の地方創生はGDP(国内総生産)1・5%~2%(名目4%)の成長率をめざしているが、現状は0・9%にとどまると指摘。人口が増えなければ成長はなく、人口が減る日本では設定がおかしいと批判しました。


 政府は世界の生産拠点である東京に働く人材を集めて、高齢者を地方に押し付け、地方はコンパクトシティで市の中心部に人口を集中させればいいという発想だとのべました。


 地方に必要なことは、生産の場とともに生活の場として住民福祉の充実など地域を豊かにすることだと主張しました。


 人口の問題は、出生率では計れず、婚姻率(人口1000人当たりの婚姻件数)が重要であり、20代、30代の女性の地域外流出をどう食い止めるかが課題だとのべ、産業構造の転換を訴えました。


 高井亨准教授は、労働は機械に置き換わり精神労働が増え、土地や個人に蓄積された伝統文化、歴史など鳥取の素材、物語性が仕事になると指摘しました。