【10月23日付】鳥取市佐治町で「たんぽり村まつり」-まきと自然エネルギーで循環型社会を

 鳥取市佐治町で10日までの3日間、循環型社会をめざして「たんぽり村まつり」が開催されました。たんぽりとは、川を掘って理想の場所をつくるイワナのこと。


 自然栽培の野菜、食材、調味料などの店が出店し、参加者で交流しました。


 実行委員長の幸田直人さん(34)は「ガスやスイッチ(電気や電気で動くもの)の生活を見直す機会にしてほしい。原発のような誰かの犠牲で成り立つ巨大なエネルギーに依存する社会は便利ですが、資源に限りがあり、持続可能ではありません。山には木があり、まきや炭という循環するエネルギーで暮らすことができます」と語りました。


 佐治町の梨農家の金田透さん(40)は、自分の田んぼで作った自然栽培米のおにぎりを販売。100本余りの梨で木村式自然栽培を実践しています。「今年は、味はよかったものの小玉ばかりでした」とのべました。


 12種類のスパイスを使ったオーガニックカレーを販売したのは田中正貢さん(49)。気高町で毎週土曜日、オーガニックマーケットを開催し、有機で砂丘ラッキョウを作っています。


 美作市から来た五味和也さん(35)は、屋号「野生堂」で鹿の唐揚げを出店しました。猟師から持ち込まれた鹿をさばいて部位ごとに仕分けし、冷凍保存して寄生虫を殺します。筋のない背ロースとモモ肉を使い、柔らかく仕上げます。イノシシが持ち込まれた場合は、イノシシの唐揚げやハンバーグを販売します。


 農事法人が受託した農作業で作業賃を得て、岡山県の委託を受けてチームでツキノワグマの捕獲・放獣をしています。檻やくくり罠で捕獲して麻酔の吹き矢や麻酔銃で眠らせ、奥山に運んで放獣します。


 五味さんは「岡山県は、なるべき殺処分せず放獣しています。夏には20頭を捕獲しましたが、殺処分はゼロでした。ツキノワグマは臆病で人間を恐れます。狩猟の対象にしない西日本と狩猟獣の東北ではクマの気質がちがうのかもしれません」と話していました。