【10月9日付】新婦人境港班が憲法カフェ-憲法に反する戸籍制度をなんとか

 新婦人境港支部の中浜、余子両班は9月30日、境港市で憲法カフェを開きました。


 県九条の会事務局長の浜田章作氏が「あたらしい憲法草案のはなし」(「自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合」著)をテキストに、参加者の疑問や声に答えながら講義しました。


 参加者から、結婚を境に名字が変わることへの疑問が出されました。また、戦前の家制度と女性の身分について話がはずみました。


 浜田氏は「本来ならば個人主義(個人の尊厳)を原理とする日本国憲法を制定したときに、戸籍制度を廃止して個人籍にするべきでした。保守勢力は戦前の家制度を残そうとしたが、憲法の中に残せず、民法や戸籍法の中に戸籍という形で残した」と話しました。


 戦前の家族制度(民法で規定)では、婚姻は妻が夫の家(夫の親の戸籍)に入り夫の氏を名乗った。戸主(家長)は、▽婚姻は戸主の同意が必要▽意にそぐわない家族を追い出すことができた▽家の財産を相続などの絶対的な権限を持ち、家族を扶養する義務を負った(国家が戸主に押し付けた)と紹介しました。


 一方で妻は、単独で法律行為をする資格のない制限能力者であり、財産の管理権がなく夫の同意なしに家の修繕や家財道具を買うことができなかったとのべました。


 「親に孝」は、親に恩返しをすることで、忠(君主に忠実に従う)と孝(親に忠実に従う)は同じイデオロギーであり、「我が国は一大家族国家であって、皇室は臣民の宗家にましまし」(昭和12年文部省編纂『国体の本義』)と、家族の長たる天皇に国民として忠義を尽くすことが当然とされたと指摘しました。


 自民党改憲案は、世界人権宣言を参考にしたとして「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位」と記したが、世界人権宣言では「家族は社会および国によって保護される権利を有する」(国が家族の発展する条件を確保)とした点を省き、家族に基礎的単位の役割として「互いに助け合う」義務を課していると説明しました。


 「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」(24条)から「のみ」を削除して、両性の合意以外の条件や要件(24条から配偶者の選択、住居の選定を削除、扶養、後見、親族を挿入)が入って来る可能性があるとのべました。


 浜田氏は、日本は離婚届の受理に配偶者の意思確認のチェックがなく、夫(妻)が勝手に妻(夫)の認印を捺して出しても受理されるので、気配がある場合は不受理申請(半年間有効)を出しておくことをすすめました。