【11月13日付】鳥取地裁に年金受給者ら再提訴-年金引き下げ違憲訴訟再開

 年金の減額は違憲無効であるとして、県内の年金者組合員42人が1017日、国を相手取り、13年10月から14年3月までの減額分の支払いを求めて鳥取地裁に提訴しました。


 組合らは、昨年2月17日に全国に先駆けて、原告24人が年金減額処分の取り消しを求めて鳥取地裁に提訴。しかし、国は高裁のある広島地裁への訴訟の移送を申し立て、鳥取地裁が移送を決定しました。


 広島地裁に通うことを余儀なくされた原告らは広島高裁松江支部に不服を申し立て、今年6月21日、年金減額処分の取り消し訴訟を取り下げ。今回、移送のない給付訴訟に切り替えました。


 原告団団長は、同組合県本部副執行委員長の増田修治氏(85)、弁護団長は高橋敬幸弁護士です。13年12月4日の1%減額決定は違憲無効であるとして、13年10月から14年3月までの減額分の支払いを求めます。


 原告らは、平成24年減額法による年金の特例水準の解消は、①憲法25条違反(国際規約の社会権規約・後退禁止原則違反、最低限度の生活保障に違反)②憲法13条(幸福追求権)及び29条(財産権)違反③合理的理由はない―の3点を主張し、違憲性を争います。


 原告団は提訴後、記者会見を開き、増田団長は「取り消し訴訟を移送の心配のない給付訴訟に切り替えた。年金受給者だけでなく、将来の年金受給者にとっても大問題。裁判を通じて世論に訴え、年金削減制度の廃止、最低保障年金制度を勝ち取る大きな運動と一体に取り組みたい」と語りました。


 鳥取市の女性(74)は「月に約7万円の年金で1人暮らしです。家賃と水光熱費、電話代などで5万円かかります。介護保険料や国保料など、税金や公共料金を払うために生きているようだ」と話しました。