【11月6日付】中部地震でナシ6割が落下-訳あり商品に半額補てん


 鳥取県中部地震で被災した湯梨浜町、倉吉市などのナシ生産者らが、落下したナシのうち比較的損傷の少ないものを集荷し、訳あり商品として販売します。


 県によると、主流の二十世紀は出荷を終えたものの、おくての王秋、愛宕、新興などの落下率は約6割で、被害額は多額に上ります。


 湯梨浜町の東郷梨選果場によると、王秋、愛宕が6~7割の落下率で3000万円程度の被害。生産者から落下したナシを集荷し、京阪神や首都圏で販売する計画です。同選果場全体の出荷額は13億円で、おくてのナシは1~2割でその4割が王秋と愛宕。


 湯梨浜町で二十世紀とともに愛宕を栽培している山田正明さん(63)は「7000個の愛宕のうち、6日の台風で2割、21日の地震で5割、あわせて約5000個が落ちた。収穫を楽しみにしていたが残念だ。業者がくず梨として60箱を買った他、名古屋からも購入の希望があった。本来なら5玉8㌔詰めで3500円。1個売りは1000円する。残りの果実の出荷は11月下旬から12月下旬の1カ月間だ」と話していました。


 県農林水産部は支援策について、訳あり品を販売する場合の▽正規品(キロ当たり250~300円)と訳あり品(100円程度)との差額の半分補てん▽東京や大阪に販売にいく旅費と資材(段ボール、パック)補助▽壊れた選果場から出荷する選果場への運搬費補助▽落下果樹の品質分けの選別料金の補てんや、共済新規加入の掛け金の3分の1補助―の方針を示しました。


  日本共産党の市谷知子県議と長谷川昭二北栄町議は26日、鳥取県中部地震で被災した北栄町のナシ生産者を訪れ、被災の様子を聞きました。


 徳山巌さん(72)は60㌃の梨園のうち、14㌃で王秋を生産。「二十世紀の生産が主で経営への打撃は比較的少ない。王秋は半分が落果し、枝に残っているものも枝とぶつかって半分近くに傷が付いた。まともに売れるのは3割、訳あり商品が3~4割、3分の1は廃棄だ。県の(まともなものと訳あり商品の)差額の半額補てんは助かる」と話していました。