【12月11日付】大平インタビュー-自由と基本的人権・国民主権の源流

―この臨時国会、あらゆる面で安倍内閣の暴走がさらに際立った国会だったと思いますが、一方で参院選において野党統一で当選した議員の活躍、さらに議席が増えた日本共産党国会議員団の論戦が光った国会でもあったと思うのですが―


 【大平】沖縄から国会に来られた伊波洋一さんをはじめ野党統一の参議院議員の方々は、論戦だけでなく国会での野党共闘にも大きな役割を果たしています。


 日本共産党について言えば、参院選で3議席増えて11議席から14議席になりました。


そして、参議院でも複数委員の常任委員会もでき、引き続き野党第二党ということで発言の機会・回数が増えています。


 先日の予算委員会では小池書記局長が1時間半にわたる質問で社会保障の問題を取り上げ大好評・大反響でした。


 ―「共産党が伸びれば政治が変わる」ですよね。さて、大平議員はこの12月で衆議院議員に当選して2年になります。一昨年12月の総選挙で、中国地方で11年ぶりに衆議院の議席を獲得し、日本共産党も8議席から21議席に躍進しました。改めて2年前からを振り返っていかがですか―


 【大平】新人議員で、しかも地方議会の経験もない私にとっては、右も左も分からない中での緊張したスタートでした。8議席の時期とどう変わったのか、以前を知らない私には判らないのですが、例えば、第一衆議院議員会館の私の隣の部屋は、沖縄の赤嶺政賢さんなんですけれど「エレベーターで我党議員に合うことは今までなかった。今は頻繁に会う」という話をされていましたが、先輩議員にとってこの躍進は感慨無量だったんでしょうね。


 また、中国地方から中央の集会やデモに参加する方からは、「中国地方の議員が国会の出迎えのところにいてくれる」と喜ばれています。


 他党からも「共産党変わったな、若返ったな」といわれている。確かに調べてみると平均年齢が一番若いのが共産党なんですね。いろんな所で共産党の躍進が話題になっているんだなと実感しながらのスタートでした。


 ―そして、国会初質問が3月5日の予算委員会でしたね―


 【大平】初質問の緊張感は今でも覚えています。テーマは、選挙中から一貫して訴えてきた「ヒロシマの心を国会へ!」の思いで、①原爆症認定制度の見直し、②黒い雨地域指定の拡大、③核兵器廃絶にむけて、の三つの柱で菅官房長官や広島選出の岸田外務大臣などに質問しました。


 質問が終わって、被爆者の方や「黒い雨」被害者の方から「大平さんを国会に送ってよかった」と感想が寄せられた時には、嬉しかったですね。


 しかし、今臨時国会での核兵器禁止条約への安倍内閣の態度等、被爆国の政府にあるまじき態度を見るにつけ、被爆地出身の国会議員としてさらに頑張らねばと思っています。


 ―大平議員の初めての国会は、日本の立憲主義にとっても歴史的な意義をもつ国会だったわけですが、その圧巻は、やはりあの憲法審査会でしたね。その現場で議員として論戦に立ったわけですが―


  【大平】「あの憲法審査会」というのは、昨年6月4日の憲法審査会参考人質疑ですね。参考人として来られた3人の憲法学者のみなさん全員が、安保法制は違憲だとはっきり述べられました。このことが安倍政権にはもちろん、社会全体にも大きな衝撃をあたえ、「安保法制」をめぐる潮目が大きく変わる出来事となりました。
 実は、この審査会が自公勢力にとってどれほどショックだったかということが、今度の臨時国会の憲法審査会でも明らかになりました。


 10月末の憲法審査会の幹事会で、審査会の会長である自民党の森さんが「あの悪夢はもう繰り返してはならない」といわれました。昨年6月のあの審査会が「悪夢」だったんです。ならばその「悪夢」をよみがえらせようではないかと、今度の臨時国会でおこなわれた2回の審査会で私は、参考人のみなさんが述べた安保法制は違憲であり、立憲主義に反するものであるということを繰り返し取り上げ、あの強行から一年たっても決しておさまることのない国民のたたかいと力を合わせて、廃止に追い込むまでがんばりぬく決意を訴えました。


 ―大平議員の発言はマスコミでも報道してましたね。
 ところで、「青年・学生の要求に応えた質問」が全国的に反響を呼んでおり、全国各地から「ぜひ来て欲しい」という声が掛かっているんですね―


 【大平】若い人たちの問題は、議員になる前から、学生たち、若者たちとずっと一緒に、その要求の実現のために活動してきたものですから、特別な思い入れを持ちながらこの2年間やってきました。


 文部科学委員会に所属していることもあり、学費・奨学金問題の論戦・質問、高校生の政治活動、教科書問題、「いじめ」問題など取り上げてきました。


 この臨時国会では、奨学金問題で、この間国民や保護者の大きな世論の中で政府の重い腰をあげさせ、返す必要のない奨学金の実現をするというところまで言わせることができました。


 この質問には、東京の学生たち30人が傍聴に来てくれましたし、ネットを通じて全国の学生に配信されたそうです。最近、全国各地の若い人から「ぜひ来て欲しい」とリクエストが来ています。嬉しい悲鳴ですね。


 ―さて、この2年間、「中国地方の声を真っ直ぐ国会へ」と様々な課題を取り上げてこられましたね。とりわけ、すぐ現場に駆け付ける姿勢にはみんな喜んでいますよ―


 【大平】国会の委員会での質問だけでなく、政府レク、交渉、現地での懇談・調査などを含めると数え切れないくらいの課題をしっかり受けとめて来ました。


  とりわけ「すぐ現場に出かけ生の声を聞く」をモットーに、あれは当選した直後の正月でした。山口県長門市で発生した鳥インフルエンザの調査に出かけたのが、議員として最初の現地調査でした。


 ―鳥取県中部地震でも発生翌日に現地入りしていますね―


 【大平】そうですね。何よりも被災地で被災者の方々の生の声を聞くのが政治家としての自分の原点だと思っています。


 私は議員になる直前の夏、広島の土砂災害に遭遇し、その際の被災者支援活動の現地責任者をしていました。その問題でも、毎国会で取り上げ、被災者の声を国会に届けています。「住民の苦難あるところ共産党の大平あり」と今後も頑張っていく決意です。


 また、時間の関係で取り上げきれない様々な中国地方の課題は、政府レク、各地方議員の方との政府交渉、現地調査と懇談という形で国会に届けるように頑張ってきました。


 米軍機の低空飛行、三江線廃止問題なども住民の皆さん、関係自治体の皆さんと一緒に今後も取り組んで行きたいと思っています。


 ―原発問題でも現地に行ってますよね―


 【大平】島根の地方議員の皆さんが島根原発の安全性に関して凄い調査をしています。その勉強も含めて現地を見ました。


 また上関原発計画では、祝島に行って住民運動の方とお会いしたり、原発立地予定地の現場にも行きました。
  再稼働も新規も絶対にストップをかけねばと決意していますし、そのために多くの方々との共同を広げていこうと思っています。


 ―つい先日の岩国問題の質問もタイムリーで反響を呼びましたね―


 【大平】中国地方では、極東最大の基地に強化されようとしている米軍岩国基地問題、美保基地への空中給油機配備問題など、「戦争法」のもとで戦争する国づくり態勢」が進行しています。何としてもストップを掛けねばならないと思っています。


 岩国へのF35Bの配備問題では先日20日には岩国の市民集会に参加し、挨拶。その熱気に満ちた思いを翌日の決算行政監視委員会でさっそく防衛大臣にぶつけました。住民運動と国会質問が響きあうように進むことができる…やはり中国地方の共産党の議員がいるからだと確信を持つことができました。


 そして、こうした課題で、多くの市民団体との共同が広がり、その輪の中にしっかりと共産党の国会議員がいる、というのも大切なことだと思い、その役割の重要さを痛感しています。


 ―昨年の「戦争法」の共同のスクラムの中に大平議員が共産党の国会議員としてがんばっていたこと、今年の参院選での「市民と野党の共闘」でも大平議員の存在が光ってましたよね―


 【大平】ありがとうございます。この間の市民と野党の共闘の前進には、共産党の国会議員が大きく増えたことが力になっているのは確かですし、中国地方でその役割を果たしていきたいと思っています。


 ―さて、そろそろ最後になりますが、「議員2年」を踏まえて今後の抱負を一言―


 【大平】引き続き、中国地方の声を真っ直ぐ国会に届ける議員として頑張っていこうと思っています。
 総選挙の時期は任期の折り返しを迎えて「いつあってもおかしくない情勢」ですので、必ず議席を確保しさらに前進するために全力を挙げる決意です。


 とりわけ、来年1月の日本共産党の党大会に向けて「共産党をもっともっと大きくしよう」と「大運動」に取り組んでいますが、多くの方に共産党の役割を語り共産党に入っていただく運動の先頭に立ってこの年末年始頑張ろうと決意しています。


 党大会議案の中で「党創立100周年」の話が出てきますが、議員になって2年間各地を回りながら中国地方に流れる先輩たちの革命的な伝統に学ばされています。


 先日、岡山県北に出向いた際、「党創立時代の片山潜の碑」「戦後すぐに当選した日本共産党衆議院議員・苅田アサノさんの生家」、「人間裁判・朝日茂さんのお墓」を訪ねました。


 この伝統を引き継ぎ、次の「100周年を党躍進の中で迎える」決意をあらたにしたところです。私は「100周年」の年も未だ40代なので、次の時代に向けても…ですが。


 どうか、ご支援よろしくお願いします。