【5月21日付】鳥取県で沖縄と連帯する会結成 オール沖縄の仲里利信衆院議員が講演

 鳥取県で14日、「沖縄と連帯するとっとりの会」が結成されました。


 北栄町でオール沖縄の仲里利信衆院議員を招いた結成総会「記念講演と島唄・琉舞のつどい」が開かれ、約400人が参加しました。


 県内の労働組合、平和団体、女性団体の役員、知識人、文化人、弁護士、宗教者、地方議員ら46人が呼びかけたもので、石田正義、一盛真、伊藤英司の3氏が共同代表に就任。石田氏は「沖縄と連帯するためには、沖縄を切り離し、追い詰めている『本土』とは何かを考える必要がある」、一盛氏は「法治主義が壊れかけている日本社会の民主主義が沖縄にかかっている」とあいさつしました。


 平良忠弘事務局長が経過報告し、結成アピールを発表しました。倉敷市の玉城貞子サンシン教室「ザワワンズ」の演奏、丸山洋子琉舞教室の琉球舞踊が披露されました。


 仲里氏が記念講演を行い、衆院選公示の3週間前に立候補した経過や沖縄戦について語りました。


 戦前の体験では、国民学校の教師をしていた父親に、竹やり訓練をして何の意味があるかと聞くと、「米兵は青いヤギの目をしていて10㍍先は見えないので、落下傘で降りて来るときに、このやりで突き殺すのだ」と言ったこと▽住民たちが駆り出されて普天間飛行場の滑走路をつくり、カヤで見せかけの飛行機を何機も作ったこと▽日本軍が食料も兵器も持たずに沖縄にやってきて住民の食料を奪った中で、祖父の家にも15~20人の兵隊が押し掛けて食料を奪い、祖父が餓死寸前だったこと▽仲里氏自身がマラリアにかかり死に直面し、足の裏から侵入する糞線虫に侵され、人体実験の特効薬で救われたこと▽畑にニラ、ナスビ、トマトを植えて朝市で売って国民学校に出かけたこと―など語りました。


 戦後の体験では、爆弾の破片を売って家計を助けたり、川でフナやウナギを捕まえたこと▽裸足で4㌔先の高校に通いながら畑をしたこと▽琉球大学に入るために2500坪の土地にサトウキビを植え、入学後は一般教養を出ずに月130時間のバイトをして家に仕送りをしたこと―などを語りました。


 

 沖縄戦は、1944年3月26日に開始されたが、「安倍首相の仲間の教科書」は4月1日からにしているのは、座間味村の渡嘉敷(で326人)、座間味島(で戦死者358人中177人)、慶留間島(で53人)の集団自決を隠すためだと指摘しました。


 1945年5月27日、首里城の本陣(沖縄守備軍司令豪)陥落(31日)の前に、司令部が主張した無条件降伏をしていたら3万人の犠牲者ですんだが、大本営は「本土決戦を遅らすために最後まで戦え」と命令し、敗走する軍の強制で住民の集団自決が行われ、日米合わせて24万人の犠牲者が出たとのべました。


 沖縄基地問題では、安倍政権は宮古島、与那国島にまで自衛隊を配備したが、侵攻された場合、あの程度の兵力で守れるはずもなく、攻めさせて占領された後に、奪還することを考えているのではないかとのべました。


 固定された基地は、ミサイル攻撃の標的となるため、現代の戦争では原子力潜水艦や空母が主流となっており、海兵隊の辺野古新基地は時代遅れだと指摘しました。


 観光問題では、2001年9月11日の米同時多発テロの2カ月後、米軍基地の集中する沖縄では観光客のキャンセルが2300件に上り、56億円の損失が出たとして、嘉手納、普天間の米軍基地にミサイルが飛んできたら、沖縄の観光は壊滅すると告発しました。


 軍事力による防衛では、中国軍は装備だけで18兆3千億円をかけており、日本は5兆円の40%でしかなく(60%は人件費や管理費)、対抗しようとしたら30兆円が必要で非現実的だとのべました。北朝鮮のミサイルについて、同時に数発打ち込まれたら対処できず、原発も狙われるとして、「兵力で得られる平和も紛争の解決もない」と強調しました。


 沖縄の経済では、日本政府に搾取されつづけているとして、2002年から2011年に沖縄が払った税金は2兆6080億円だが、政府が支出した沖縄振興費(他府県の地方交付税、補助金、地方消費税)は2兆4930億円で、1000億円以上も吸い上げられていると批判しました。


 米軍基地で潤っているという意見に対して、沖縄の県民総所得は年間4兆2000億円だが、軍用地借地料(800~900億円)、基地人件費(8000人で500億円)、米軍の消費支出(400億円)、その他の基地整備費を合わせて2100~2200億円で、5%にすぎないと紹介しました。


 逆に米軍基地が返還された那覇新都心は、返還前が借地料52億円、雇用が177人だったのが、今は直接経済効果で1634億円、雇用は1万7千人と100倍になり、北谷町は3億円が336億円と100倍になり、地方税収も5億円が195億円になったと報告しました。


 共謀罪について、微罪で捕まった沖縄平和運動センターの山城博治議長が、5カ月も拘留されたことをあげ、「治安維持法」であり、暗黒社会が到来すると批判しました。


 自衛隊について、自衛隊員が戦地に行かされることになれば、入隊者が激減し、徴兵制になるだろうとして、安倍政権の戦争する国づくりに反対しようと呼びかけました。