【7月9日付】八頭町明辺でセンスガイ化石 地学にロマン感じて

 古生物や化石の研究をしている鳥取市の市谷年弘さん(51)は、このほど八頭町明辺(あけなべ)で深海サンゴの一種のセンスガイの化石を発見しました。


 市谷さんによれば、センスガイの化石は、国府町上地(わじ)や日南町多里(たり)で見つかっていますが、八頭町で確認されたのは初めてです。


 扇ノ山山麓は、1650年前は海底であり、多くの化石が見つかります。上地も明辺も扇ノ山山麓です。


 市谷さんは6月10日、明辺の山道脇で化石を含む転石を発見しました。当初はヤスリツノガイの化石に注目していましたが、その裏側にセンスガイの化石があるのを発見。16日に「鳥取県化石誌」を著書に持つ山名巌氏に鑑定を依頼し、センスガイだと確認しました。


 市谷さんは「国府町は山陰海岸ジオパークに認定されています。八頭町は外れていますが、ジオパークの位置付けは同等です。センスガイは現在も日本周辺海域の大陸棚に生息しています。1650万年前に生息していたとなると、古海洋環境を知るうえで重要な位置付けを持ちます。子どもたちには、地学・地質学にロマンを感じて興味を持ってほしい」と話します。