【1月14日付】小松教授と大平前議員「新春対談」

 大平喜信前衆院議員と「隠れ共産党宣言」でお馴染みの岡山大学の小松泰信教授が対談しました。


 小松・大平) 明けましておめでとうございます。


 大平) 昨年の総選挙では、お世話になりました。ご期待に沿えず申し訳ありませんでした。その悔しさをバネに新しい年、議席奪還へと新たなたたかいに踏み出しています。


 小松) 選挙後の大平さんのフェイスブックをみると「(落選したことが)やっぱり悔しい」と言われてましたね。
 大平さんが落選したことも残念なんだけど、農林水産委員をされていた畠山さんと斎藤さんの議席を失ったのも残念なんです。次は皆さん全員返り咲いてほしいですね。


 大平) ところで、振り返れば私が小松先生のお名前を初めてお聞きしたのは、志位和夫委員長が昨年の党旗開きで「隠れ共産党宣言」という形で小松先生の紹介をされたときでした。岡山の共産党の人たちに聞いても知らない…岡山にそんな先生がいたのかとびっくりしました。


 小松) いやぁずっと隠れていたもんで(笑い)。
 志位委員長に紹介されて以降、昨年の4月下旬に「とことん共産党」に出て、赤旗とります宣言。4月下旬から日刊版と日曜版を一緒に購読し始めました。国会の様子が、これほど詳細に報道されているというのは一般紙にはないじゃないですか。それでますます「こんなことが決められているんだ」と感心させられたというか驚いたというか、実は恥ずかしかったわけです。
 それから、例の籠池さんが証人喚問された直前の本会議で畠山さんが一般質問でしたか、堂々と述べておられることを見て、聞き入ってしまいました。「えぇこんな人がいたの?失礼ですが」って感じです。それから何日かして、「畠山事務所ですが」って電話があって「今度参考人に来ていただけないか」と言われ、運命的なものを感じましたね。


 大平) その結果、今では「隠れ」ではなく大っぴらに共産党の応援をしていただいている(笑い)。


 小松) 逆に教えて欲しいのですが、大平さんは「憲法審査会」に入られていたわけで、そこでは憲法改正の議論をしていたの?


 大平) そうです憲法審査会というのは、その目的として憲法そのものの調査とともに、憲法改正原案、改正の発議の審査をするとなっており、これは今までの憲法調査会にはなかった、新しい任務です。


 小松) 僕は、憲法には基本的には触るなって気がする。共産党はどんな姿勢なの?審査会のメンバーにいて、「やぁーやっちゃいかん、やっちゃいかん」って言ってるわけ?


 大平) 私たちはいっかんして国民は改憲など望んでおらず、憲法審査会は開くべきではないと言っています。それでも開催するのであれば堂々と出席をして、現行憲法がいかにすばらしいものか、変えるべきは憲法ではなくそれをふみにじる政治のほうだという主張を正面から訴えています。


 小松) 岡山大学農学部の職員組合用掲示板にも「9条を守る会」のポスターが貼ってあるんです。それで横目ですっと見ていたんです。横目でね。やっとその意味を自分自身も考えるようになって、大切な取り組みを僕は横目でしか見ていなかったんだと今は恥じております。
 戦後70数年間、このおかげで鉄砲を向けることもなかったし、向けられたこともなかった。いろいろ言いますが憲法9条ですよ。皆が知恵出して、ある意味アバウトな部分でやってきた。それは、昔の立派な政治家たちの知恵なんだと思いますね。それを結局、引っ剥がして結果的には戦争できる国にしちゃうわけです。第二次世界大戦の歴史的敗北、唯一の被爆国、そこから得た唯一の成果を大切にしないことには怒りを禁じ得ません。


 大平) おっしゃるとおりですね、昨年の5月3日、安倍首相が読売新聞のインタビューと改憲集会での発言が大問題になった。
 2020年までに憲法9条を変え、「教育無償化」を盛り込むと。9条は彼らがもともと狙っていた2項を削除して国防軍を書き込むという改憲案ではなく、1項・2項を残しつつ3項で自衛隊を明記するという案に変えました。これはいろいろありますが公明党が以前から言っていた「加憲」という主張を取り込むねらいがあり、「教育無償化」は維新の会を取り込むためです。
 さらに昨年11月の私が参考人として呼ばれた憲法審査会で希望の党の議員が、「解散権の制約」について発言していましたが、その数日後には、自民党は「解散権の制約」についても憲法改正の項目として検討してもよいとの報道がありました。ですから小松先生がおっしゃるとおり、安倍9条改憲阻止のためにいま大切なのは「憲法に触るな」という確固たる立場だと感じています。


 小松)なるほど。


 大平) ところで、実は私は農業問題は全くの素人で…。料理は好きで、家族の弁当や、国会議員のときも自分の弁当をほぼ毎日つくっていましたから、例えば野菜の産地や価格などとても関心を持っているのですが、そもそもの農業問題はいろいろ教えていただかないと…


 小松) 12月に島根であった中国地方の農民連の集まりで、「農業問題は大平さん素人だから皆さんが教えてやるつもりでちゃんとしないとダメですよ」と言っておきました(笑い)。それが怖かったのかどうか大平さんは来なかった。(大きな笑い)
 産業としてもそうだけど、「農は国の基なり」です。農業を大切にしている政治家とか政党は農業を産業としてだけでなくて国全体とか国民全体のこととして広い視野で考えているはずです。作る方々、食べる方々、みんなを意識しているからこそ農業が語れるわけです。農業がきちんと語れる政党・政治家が本当に信頼できると思いますね。


 大平) しっかり勉強します。


 中国地方はなんといっても農村の多い地域ですから、農家の皆さんのところへも出かけて行ってしっかりお話を聞かないといけませんね。地域ごとの農協にも出向いお話を伺いたいと思います。
 さて、新しい年の政治の展望ですが、私は、何よりも「安倍9条改憲ストップ」に全力を挙げようと決意しています。小松先生は?


 小松) 安倍政権はそんなにもたない。今まではモリカケそばって言われてきたでしょ、これにスーパーコンピューターがきたんです。その他に様々な問題を加えると「ヤマモリカケスパ」になるんですよ。(笑い)


 大平) 問題いっぱいですね。まさに安倍政治の矛盾が噴出ですね。


 小松) 例えばトランプとの関係にしても、トランプの娘が来たら料亭の玄関までいって、女将がするようなお迎えする。他国の同じ立場の人たちがこられても、同じようにやれよと言いたい。


 大平) 安倍首相は「国難、国難」って言いましたけど、私はトランプ大統領の暴走と、いよいよそれに付き従い言いなりになる安倍政権の姿勢こそが日本に国難を呼び寄せているんじゃないかと感じます。


 小松) 呼び寄せているんじゃなくて、国難が洋服着て歩いてるけどね(笑い)


 大平) そうした中で政治を変える展望が見えてきているのも確かです。「市民と野党の共闘」が、全国でも中国地方でも確かな力として広がっています。それをさらに大きく発展させる年にしたいですね。


 小松) 私も、「未来は野党共闘で」と思う。しかし今、見えにくくなっていると思う。その場合の野党とはどこを指すのか?希望もですか。社民・自由・立憲・共産まともな野党といえるのはこの4つかなと思っている。参議院の民進党は?


 大平) 昨年の特別国会で成果だったのは、総選挙の前のときと同様に議員立法を野党共同で提出することをやってきたのですが、この国会でも共謀罪の廃止法案を共産・立憲・社民・自由・民進の5党で共同提案提出することができました。
 そして、大きかったのはやっぱり、「市民の力」ですね。総選挙前に希望の党ができて共闘が破壊されそうになったときに、もちろん日本共産党は共闘の旗をさらに高く掲げたのですが、なによりも市民のみなさんが「野党は共闘せよ」とあきらめなかった。それがあったから共闘勢力は立て直し、前進することができたんです。
 中国地方でもそれぞれの地域で貴重な成果がありました。
 さて、「対談」も時間切れになってきたんですが・・最後は日本共産党の話でまとめたいのですが・・。


 小松) 今度の選挙で21議席から12議席になった。減るとは思っていたがここまで減るとは思っていなかった。素人目には、譲歩し過ぎに見えました。隠れ共産党の人々もまだまだ浮動票。
 何かやっぱりピタッと来るものがないのかなー。ほかの政党は期待できない。議員が不真面目だ。でも共産党といえば筋金入りの人が多く、お堅くて面白みがないなと感じる。だから、爆発的なブームにならない。チョット遊び心で、立ち寄りたくなるような雰囲気を持たないといけない近寄り難いイメージをいかに変えていくかですね。


 大平) なるほどー。我が事としてしっかり受けとめたいと思います。同時にやっぱりまだまだ日本共産党自身の真の姿が届けきれていないと感じます。なんとなく怖い、中国や北朝鮮と何が違うのか、共産主義、どんな社会を目指しているの?独裁になるのか、配給でも始まるのか、人民服を着さされるのか(笑い)など・・・ ぜひ、日本共産党のことを丸ごと知っていただけるよう、皆さんと語り合える場を無数に開いていきたいと思っています。
 その点で、小松先生にお願いした紙智子参議院議員と小松先生の「ビッグ対談」、5月12日に岡山市で予定しているのですが、農業問題はもちろん、日本共産党についてもザックバランに話していただいて、共産党を知らない人や支持していない人も「なるほど」と合点がいくようなものにできたらと思っています。
 ぜひよろしくお願いします。


 小松) しっかり応援しますので、頑張ってください。