【2月4日付】大平喜信前衆院議員が長谷川稔県議と対談

大平)今日は、お時間とっていただいてありがとうございます。選挙ではご支援いただいて、本当にありがとうございました。ご期待に応えられず、申し訳ありませんでした。


 長谷川)最後は、もう比例も宣伝しましたよ。
 大平議員が、今は前議員ですが、総選挙後もそれ(落選)にめげずに、むしろ、きめ細かく、3人でも集まれば、話し込んでいくという…、あるべき姿なんですけれど、なかなかできないことなんですね。


 大平)大先輩に、そう言っていただいて光栄です。今度の総選挙のこともそうですが、安倍得政権をどうみるか、何といっても、憲法の改悪っていうのが、今度の国会の大焦点になっていくということで、ぜひ応援していただいた県議に、きたんのない意見を聞かせていただきたいなと思います。


 長谷川)鳥取県では、憲法「改正」の1番のテーマが合区の解消なんですね。
 合区解消のために、憲法に参議院を地方代表と明記せよと。参議院を地方の代表に限定してしまえば、今でさえ衆議院の優位性というのがあるのに、それをもっと強めてしまうことになりますね。
 今は国民の代表ということで、地方の声も当然、反映しているわけです。それを地方の代表だなんて限定すれば、2院制が崩れる。私はやっぱり、2院制のすぐれた点っていうのがあると思うんですね。


 大平)やっぱり、もう一つの府としてより熟議する、それは必要なことですね。
 それから許せないのは、自民党が民意を反映しない、最も死票が多い、大政党に極めて有利に働く小選挙区制度を温存させながら、一方で地方の声を届けるためにも合区の解消だ、参議院を地方の代表にというのは、憲法改正のための山車に使うものです。


 長谷川)9条の改定もレトリックですね。2項を取って自衛隊を明記するという改定案は、自民党の中では少数です。そうじゃなくて1項、2項は残しておいて、3項を付け加えるだけだから、今のスタンスに大きな変化はない、2項を取り除いて3項を入れるよりも問題ないでしょうという、通りやすいやり方なんです。
 1項、2項より新たにつくる項の方が優先します。本当に交戦権を認める、海外での武力行使を容認するどころか、明記してしまいますから、1項や2項は空文化しますね。


 大平)国民のみなさんは専守防衛や災害の救援活動が、自衛隊の任務だと思っていますが、安保法制が強行されたもとで、今や、自衛隊は、集団的自衛権、日本が攻められてもいないのに、海外に出て武力行使までできるという任務が付け加わり、ある意味、主任務になりうるような中で、こういう部隊が憲法9条に書き込まれたら、まさに実質においても、9条2項が空文化されることになります。
 日本がこれまで70余年、一貫して守ってきた平和主義、外交や対話によって平和を構築していくんだという、武力を伴わない平和づくりが180度転換され、まさに武力を使った「平和」が「平和主義」にされてしまう。安倍9条改憲は何としても阻止しなければなりません。


 長谷川)そうですね。北朝鮮の核問題とか、中国の覇権主義とかに対する対応ということで、何か国の防衛力を高めなければ、というムードがありますが、その解決のためにも、対話が大事ですね。
 それから北朝鮮問題では今、ようやく韓国自身が対話を始めているわけですから、日本もぜひとも、そこをバックアップしていくという姿勢を見せてほしいですね。という意味でも9条改定をやってはいけません。


 大平)だから、この韓国、北朝鮮の対話が、また、新しい形で始っている。オリンピックもあるということで、双方が歩み寄って行く中で、もう一つの当事者、アメリカのトランプ大統領自身も南北対話をしている間は、武力行使をやらないと明言していますよね。
 やっぱり対話による解決こそが、本当に解決していく上で大事ですし、一歩ずつですが、そういう方向に進んでいると思いますね。
 その中で、対話を否定し、圧力一辺倒の姿勢という異常な態度をとり続けているのが日本政府です。


 長谷川)あまりにも対米従属で、孤立主義ですね。日本は憲法9条という立派な憲法を持っているのだから、それを背景にして発信というか、発言をあらゆる機会にすれば、ものすごく説得力があると思うんですね。
 大平さんも核兵器禁止条約の国連会議に参加されましたが、世界の大勢が武力より対話なんですよね。


 大平)昨年7月の国連会議に参加して、二つのことが僕は大変、印象深かったんですね。
 一つは、核兵器を含めた武力による平和、安全保障のためにも核抑止力が必要なんだという議論が、多くの国で通用しなくなった。やっぱり、核兵器の非人道性があるもとで、これは2度と使ってはならないものだと。武力によって平和をつくるんじゃなくて、対話と外交によって平和をつくっていくんだということが、世界の大勢になってきているということです。
 もう一つは、これまでの核保有国、核兵器を持つ大国が、大きな顔をして大きな経済力、大きな軍事力を背景にものを言う、それで国際政治の方向が決まるという時代から、そうではなく、国の大小に関係なく、一つひとつの国が、まさに国際政治の主人公として堂々と意見を言い、その大勢が国際政治の方向を決めるという時代になった。一部の大国ではなく、全ての国々が主人公で堂々と意見を言う姿を見て、国際政治が変わったなと、大きな衝撃を受けました。


 長谷川)本当に大事なことを言ってらっしゃると思います。


 大平)やっぱり、そういう国際政治の到達点からみても、日本の政治は、今もなお、アメリカの顔色をうかがって、自分たちの行動を決めるという、本当に情けない姿ですね。


 長谷川)本当にそう思います。そういう意味で沖縄の基地問題、名護の市長選も控えていますが、まぎれもなく日本国の1自治体ですからね、その独立性をもっと要求していかなきゃいけないのに、安倍政権は、軍事同盟や地位協定の方を優先しちゃっている。
 本当にもう全国民が怒らなきゃいけないと思います。


 大平)おっしゃる通りです。米軍機の墜落や不時着、落下物などの事件が相次いで起こっているにもかかわらず、まともな抗議も飛行の停止も求めない。沖縄を含めて大きな怒りが広がっていますし、この中国地方では、極東最大の出撃基地にされようとしている岩国基地によって新たな被害が広がろうとしています。岩国や広島では、この正月三が日から、夜の12時や明け方5時前という時間に、時間外飛行で爆音が鳴り響くということが、起きています。


 長谷川)岩国では井原市長が非常にがんばっていましたね。庁舎建設のための補助金を防衛庁がカットするとか言っていた、あのときに、初めて激励のために市役所を訪ねたんです。
 基地の拡張に協力する市であれば、交付金をどんどん出していく、そうでなければ出さない、むしろ逆に、市長が変われば、こういう補助金が出ますよ、みたいなことが沖縄では、あからさまでしたよね。
 名護市では基地周辺の3自治会が同意したということで、市ではなく集落に交付金が出されましたね。そんなことが、まかり通ってきて、今回の名護市長選挙ですから、本当に自治体の意向をないがしろにしてしまうような安倍政権のやり方に強く反対する意味でも、今度の名護市長選、本当に大事だなと思っています。


 大平)おっしゃる通りです。それだけに、この市長選、どうしても負けられない。総力を挙げてがんばりたいと思いますし、私も3日間ほど名護市に行って勝利のためにがんばりたいと思います。
 今度の総選挙で、突如の逆流、野党共闘分断の攻撃がありましたけれども、やっぱり安倍政権を倒していく上で野党共闘、市民との共闘、この道しかないと、それを乗り越えて、また新しい前進を開始したと思うんですね。


 長谷川)総選挙の直前、民進党が希望の党に吸収されるということがありました。
 その中で、いち早く共産党が立憲民主党の立ち上げを見通した中で、選挙区で自らの候補を降ろすといった大英断をされました。
 来年の参院選の定数1の地方においては、立憲民主党は、組織づくりだけではなく、幅広い戦線が組める野党共闘で、共産党とも話し合って、相互推薦、相互支援という形でやらないと、鳥取県(希望から出て落選)など多くの地方では全然、足場がないわけですから。
 共産党は、原発問題などでは、いち早く本当にすっきりした形で早期の解消を求めておられるし、再稼働など許さないってことが具体的だと思うんですね。
 ここの地域にあって、再稼働を許して30年代にゼロだと言ってもいけません。今から(3号機は)いったん稼働したら40年は動いちゃう。審査に合格したから、けっこうですよと、いうことにはならない。


 大平)原発問題では、小泉元首相をはじめとする脱原発の市民団体が、新たな法案の骨子を出しました。今停止している原発は動かさない、ゼロにして行くという方向性が明確ですから、ぜひとも共闘して実現したい。


 長谷川)共闘の大きなテーマになってきますね。立憲民主党もそうでしょうし、共産党もまったくそごはない。


 大平)再稼働反対というのが依然、国民多数の声となっているもとで、小泉元首相自身が、この中身に賛同してもらえれば、どういう人たちとも手を結ぶということを、政党も含めて明言していますからね。


 長谷川)政策で一致できれば一番いいんですね。


 大平)そうです。来年の参院選も、原発問題が、やはり憲法の問題と並んで市民と野党の共闘の重要な政策の一つ、そして共闘が大きく広がる大事なテーマだと思いますね。
 さて、2016年の参院選挙では、32の定数1の選挙区で野党共闘の候補者が11の選挙区で勝利しました。10割近い選挙区で自民党が勝利していたのを、3分の1まで押し返したのは、共闘の大きな力でしたね。


 長谷川)大きな力です。


 大平)来年の参院選は、この改選の議員たちは、前回2013年の選挙で自民党は勝ったところが多いわけですから、ここでひっくり返せば、非改選も含めて、与党と野党の力関係が大きく変わるということになります。これは本当に野党共闘を大成功させて、必ず勝利するということで、一日も早く、選挙協力について議論しようと私たちも呼びかけているところです。
 共産党自身の地力がもう一つの課題ですが、そのために、くまなく小集会を開いて共産党のことも大いに知っていただき、共産党のよき理解者や応援団になっていただく方を大きくひろげていきたいと思います。


 長谷川)共産党が大きくなるためには、ファンを開拓してくことですね。安倍政権にまっこうから立ち向かっている一面と、国民生活を守る、豊かにするという意味では、最も役に立っている党ですよということをアピールすることが大事だと思います。
 全国つつうらうら、地方議員を配し、住民の要望を届け、制度改正の提案とか出していただいて、かなり前進して成果となって表れていると思います。奨学金制度などもそうだと思います。そういうことを知っていただくことが大事だと思います。
 保育所は、自治体によっては第2子以降は無償化みたいなことが、以前では考えられないようなことが実現しています。共産党は、保育所の増設とか、保育料の軽減とか、保育士の処遇改善だとか、配置基準の改善だとか、まだ残っている課題を強調しますが、それは必要なことですが、課題の方だけが前に出ちゃうんですよ。
できていないことの方が強調されちゃうと、なにか自治体の職員も、共産党もいっしょになって調査もして要望してくれたけれども、何か自分たちの気持ちを汲んでくれていないな、みたいな気持になる。
 ここまでできましたと、そっちの方を前向きに出していただくと、本当に住民の応援団といいますか、暮らしを守る応援団だと、そしたらファンも増える。自治体職員なんか、政治的にも行政施策などを通して関心が高いわけですから。共産党の働きをよく知っておられますから。そういうところに、もっと支持層を増やしていく、日常的にも信頼される、好まれる関係をつくっていくことが大事だと思うんですね。
 それから、もちろん労働現場の方にも日刊紙を読んでいただくことですね。安倍内閣の「働き方改革」にしてもよく読んでみると、裁量型の労働制を増やして結局、残業代は出さないでおこうというのが中身になっていますから、実態は反対ですよ。


 大平)今日は貴重なご意見、お時間をいただきまして、本当にありがとございました。


 私たちの党も、子育て世代や働く人たち、若者に私たちのことを知っていただく努力もしていきたいなと。何といっても、私たちの立党の精神は、国民の苦難軽減ということですから、国民生活の向上にとって役に立つ党だと、本当にわかっていただいて、ファンを増やしていきたいと思います。