【2月11日付】鳥取市でエシカル消費を考える 環境を守る買い方を

 「消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク」NPO法人環境市民は1月20日、鳥取市で公開セミナーを開きました。参加者は、消費者が環境や人権に配慮した買い物をすることで、企業行動を変えようと話し合いました。


 環境市民の杦本育生代表が「持続可能な消費、エシカル消費って何?」と題して講演。鳥取環境大学の泉美智子准教授が消費者教育の実例を報告しました。


 パネルディスカッションでは、ECOフューチャーとっとり(鳥取県地球温暖化防止活動推進センター)専務の山本ルリコ氏、環境市民のメンバー、環境大学の学生らが発言しました。


 杦本氏は、地球温暖化による台風、豪雨、豪雪、厳冬などの異常気象、水不足、食糧難、種の大量絶滅、飢餓が進行するなか、「人類は地球が1年間で再生産する資源量を8カ月で消費している」と警告しました。


 二酸化炭素の排出量は年間330億㌧で、海洋や森林によって114億㌧が吸収され、残りの216億㌧が大気へ蓄積されるとのべました。


 インドネシアではパームヤシの大規模農園のために泥炭地が焼失し、日本の年間排出量を超える二酸化炭素が放出されたと指摘。貧困と格差の解消、脱炭素社会のためにフェアトレードやライフスタイル、経済システムの転換を呼びかけました。


 その上で、次の事例をあげました。


 【コーヒーと南北問題】一杯450円のキリマンジャロコーヒーは、価格の0・77%が生産者に、1・44%が生産国に還元されるだけで、97・80%は消費国の経済活動に回っている。


 【コットンと農薬】世界の耕作面積の2・5%に過ぎないコットン畑に世界で使われている農薬の11%が使われている。


 【ファスト・ファッション】大量生産、短い納期、コスト削減で過酷な低賃金労働が行われ、大量消費・廃棄されている。高品質で高価なものを長く使うべきではないか。


 【銀行・郵貯のお金が戦争に】私たちの貯金約512兆円で国債が買われ、その国債で米国債が買われ、戦争に使われた。


 【露地物とハウス】キュウリ1㌔を生産するのに、ハウスで燃料を使用する冬春どりは、露地栽培の夏秋どりの5倍のエネルギーを消費する。トマトは10倍。季節の旬の野菜を食べよう。


 【ミネラルウォーター】500㍉㍑のミネラルウォーター(国産)をつくる過程で出る二酸化炭素排出量は、水道水の1000倍、外国産だと1400倍になる。ペットボトルをつくるエネルギーが大きく、液晶テレビが7時間見られる。なるべくペットボトルを買わない生活を。


 「最終需要部門の二酸化炭素排出量は、家計消費が48%にもなる(国立環境研究所)」と指摘。1995年のエアコン、冷蔵庫を2010年のものに換え、燃費のいい車に換え、LEDに換え、断熱材や2重窓を使用し、太陽光発電で買う電気を減らすと、家庭の使用するエネルギーを26%まで減らせる(産業技術総合研究所)と強調しました。