【7月29日付】鳥取市で大型風車を考える学習会 自給と住民合意が重要 基幹電源に

 大型風力発電施設(4万㌔㍗)が計画されている鳥取市気高町で6月30日、鳥取医療生協逢坂支部主催の学習会が開かれました。元日本環境学会会長の和田武氏が講演し、エネルギーは自給と住民合意が大事だと強調しました。


 和田氏は、このまま地球温暖化がすすめば人類は未曾有の大災害や食料不足で壊滅的打撃を受けるとして、二酸化炭素の排出量を削減し、2050年には実質ゼロにしなければ、取り返しがつかないと指摘しました。


 温暖化が進めば、海洋酸性化で石灰化生物が衰退し、二酸化炭素が吸収できなくなり、メタンハイドレードが溶け出し、永久凍土が溶けて生物の死骸が腐敗してメタンが発生し、温暖化が加速すると警告しました。


 再生可能エネルギーへの転換は急務であり、再生エネは既に世界の発電施設の新設で6割を占め、原発は減少していると指摘しました。


 政府のエネルギー基本計画について「2030年の電源構成で原発を20~22%にしてベースロード電源にするというのは、原発を優先して自然エネルギーを後回しにすることであり、太陽光や風力で発電した電力を捨てるということ。原発はやめて自然エネルギーをベースロード電源にして、火力をバックアップ電源にすべきだ」と助言しました。


 再生可能エネルギーの普及は、お金が地域から流出する企業主導の大規模施設によるのではなく、市民や自治体が主体となり、地域でお金が循環することが重要だとのべました。市民は再生可能エネルギーの賦課金を払っており、賦課金で企業をもうけさせるのではなく、市民共同発電で市民の手に取り戻そうと呼びかけました。


 「余剰電力を水を分解して水素にして蓄えてはどうか」との意見に、「水素に変えるより、蓄電して使った方がエネルギー効率はよい」とのべました。