【8月12日付】鳥取県の平井知事が申請容認・稼働の可否見送り 島根原発3号機新規稼働に反対せよ

 中国電力が島根原発3号機(松江市)の新規稼働に向けた審査申請の事前了解を鳥取県に求めている問題で2日、平井伸治知事は県議会全員協議会の席で、新規制基準適合性審査の申請を認めたうえで、新規稼働の可否については判断を見送り、7項目の条件を付しました。


 平井知事は、7月31日に境港市議会、1日に米子市議会で全協が開かれ、1日夜に境港市の中村勝治市長、米子市の伊木隆司市長との3者でテレビ会議を開き、意見調整したとのべました。


 7項目は、①事前了解権のある立地自治体と同じ安全協定の締結②住民や自治体に対する分かりやすく丁寧な説明③汚染水対策④地震・津波・火山に関する調査と対応⑤2号機、3号機同時に過酷事故が起こる場合の対策⑥使用済み核燃料の対策(主に搬出、譲渡先をどうするか)⑦避難計画の実効性の深化や安全対策―です。


 日本共産党の市谷知子県議は「スケジュールありきだ。福島原発事故の原因も解明されていない。高レベル放射性廃棄物を安全に地層処分する技術も場所もない。原発の危険は取り除かれていない。原発事故と豪雨被害などが重なる複合災害の場合、避難場所、避難経路を再検討する必要がある」として、申請を容認しないよう求めました。


 全協を傍聴した「えねみら・とっとり」の山中幸子共同代表は「知事や議員ではなく住民に決めさせてほしい。子や孫に40年以上原発事故のリスクを背負わせる3号機を動かす可能性を容認したことになる」と批判し、「そもそも3号機が必要なのか議論すべきだ」と強調しました。


 必要性について、▽安全対策などで原発のコストは再生可能エネルギーよりも高くなっている▽原発は地元に利益をもたらさない。再生エネを地産地消すれば、お金の流出を食い止め、地域経済が発展する▽原発がなくとも電気は足りている。世界は原発、火力発電から引き上げ再生エネへシフト▽なによりも危険であること。事故が起きれば、故郷喪失の可能性がある。放射線による健康被害、地域経済への壊滅的打撃―を考慮すべきだとのべました。


 その上で、申請を容認する前にやるべきこととして、①立地自治体と同じ安全協定の締結②県主催の住民の意見を聞く会を開いて、幅広い住民の意見を反映させる③2号機、3号機の過酷事故の被害想定、被害範囲の検証④避難計画の実効性の検証⑤原発のコスト計算⑥使用済み核燃料など高レベル放射性廃棄物の処理方法の検証―をあげ、「申請を容認する前に知事が指摘した7項目の課題を検証すべきではないか」とのべました。