【2月10日付】賃金増加を偽装 ありえない 仁比聡平

 始まった国会。「賃金も年金も削られているのに消費税10%などありえない」「ポイント還元とか商品券とか、そこまでして返すくらいなら初めから増税しなければいい」と世論の火だるまになってきた安倍内閣。くわえて毎月勤労統計不正の十字砲火で一気に立ち往生しつつあります。


 何しろ「賃金が前年比3.3%の伸び」と昨年6月の発表に国会では「どこの国の話か」と野次が飛んでいたのです。それを安倍総理は、「21年5ヶ月ぶりの伸び」だとか「今世紀最大の賃上げ」と大自慢し「国民の所得は増えている」と言い張って10%増税を決めたのですから。野党合同の追及で今週、政府は、賃上げどころか昨年20188年を通じて「実質賃金は前年比マイナス」の可能性を認めました。事は重大です。しかも安倍内閣が慌てて幕引きを図ろうと進めた「特別監察」は、第三者どころか厚労省お手盛りだったことが早々にバレてしまったのですから目も当てられません。


 代表質問で、安倍総理は「勤労統計のみを根拠に答弁したことはない」とか「連合の調査では」と情けない言い訳を繰り返すばかり。公明党の山口代表は「増税と軽減税率、プレミアム商品券への理解が広がっていない。政府あげて周知を」などどこまでも上から目線。


 往生際が悪いというべきです。実体経済と国民生活の現実からかけはなれたフェイク(虚構)、だからこそ強権のアベ政治。その正体を国民の皆さんと語り合い共同を広げたい。今週末も駆け巡ります。