【9月8日付】倉吉市でひきこもりフォーラム 親自身の問題にしないで

 「ひきこもり問題を考えるフォーラムin鳥取」が8月27日、倉吉市で開かれました。県によると県内に約700人がひきこもり状態だとされます。


 新潟青陵大学大学院の斉藤まさ子教授が「ひきこもりの正しい理解と支援」について講演しました。その後、県内の引きこもりの実態や支援が報告され、ひきこもり経験者が語りました。


 斉藤氏によると、▽思春期・青年期の問題▽神疾患、発達障害等▽貧困、虐待など▽成人期の失職―などに起因し、内閣府調査で15~39歳で準ひきこもり(自分の用事のみ外出する)が36・5万人、狭義のひきこもり(①コンビニ等には出かける)が12・1万人、(②自室から出ない)が5・5万人。40~64歳で準ひきこもりが24・8万人、ひきこもり①が27・4万人、②が9・1万人です。全国のひきこもりは100万人以上です。


 きっかけの調査では、15~39歳54万人では不登校・職場になじめずが上位、就職氷河期の40~44歳では就職活動が33%でした。初めて発症した時期は15~39歳では25歳までが大半で、40~64歳61万人では20代、40代、50歳から退職時期の三つの山があります。


 家族に対する支援の段階は①家族による本人への支援(支援前段階)②支援者が家族を支援③家族・支援者が協働で支援(第2段階)④徐々に本人が支援を受け入れる(第3段階)⑤家族・支援者を仲立ちに、地域社会へのつながりを広げ深める(第4段階)―に分けることができます。


 ひきこもっている本人の支援機関にアプローチするまでの心理的プロセスの3段階は、①家族の中で孤独な闘い②家族交流で力の醸成③あらたな自分に出会う―に分けることができます。


 回復に導く環境づくりは、①外部に支援を求める②コミュニケーションできる関係をめざす③自分の生活を取り戻す④家族の日常を取り戻す⑤家族全員が同じ方向を向く⑥自助グループ「親の会」の長期的で強い支え―などです。(次号につづく)