【10月13日付】淀江産廃処分場問題で住民監査請求 米子市は土地の提供やめよ

 鳥取県環境管理事業センターが建設計画を進める淀江産廃処分場(米子市)に、米子市が市有地を提供するのは違法・不当だとする住民監査請求で5日、請求人と市側が市監査委員に意見を陳述しました。


 住民側は5人が陳述。松井剛正氏は、一般廃棄物処分場以外の用途を認めないとした旧淀江町(米子市)と事業者との開発協定は計画地を含み、6月市議会まで市も事業者も協定の変更が必要と言ってきたとして、協定違反だと訴えました。


 また、新たな一般廃棄物処分場の予定地は決まっておらず、現在の処分場は10年余りで満杯となるとして、このままでは市民に対する義務が果たせないと追及しました。


 さらに、新たな処分場を設置するためには、人件費や工事費などの費用が発生し、計画地の市有地も産廃処分場になると土地の価値が大きく下がると指摘し、市民に損害を与えるとのべました。


 村本俊一氏は、鳥取大学名誉教授の吉谷昭彦氏が「汚染された地下水は(水道水の福井源地がある)淀江盆地へ流入する」との指摘を紹介。さらに、地下水の流向流速調査で「砂礫層の透水係数が火山灰層より小さい」などの矛盾を指摘しました。


 庄倉克彦氏は、地下水の成分(ヘキサダイアグラム)を見ると、①計画地から塩川までは福井水源方向(北北西)②下流の三輪山の泉から福井水源地方向(北西西)に流れると推測されると指摘しました。


 県漁協淀江支所の藤井邦浩前委員長は、正組合員全員が産廃処分場の建設に反対しているとして、処理水に含まれる毒が海に流れ、濃縮されると訴えました。村本智恵子氏は、処理水でコイを飼って影響を「見える化」してほしいと要望しました。


 米子市の朝妻博樹市民生活部長は、協定に計画地は含まれていないなどとして、協定の変更は必要ないと主張。市有地の使用を認める条件に、①廃棄物処理法に基づく厳正な審査で知事の許可を得ること②センターと県が産廃処分場の必要性と安全性について住民の理解がさらに深まるよう努力すること―の2点をあげました。


 朝妻部長は本紙の取材に「『住民』というのは関係住民に限定しません。(産廃処分場の建設には)市民と県民の深い理解が必要です」と答え、センターと県が市民と県民に対し、説明責任を果たすよう求めました。