【11月3日付】教育格差是正こそ政治の仕事‐大平よしのぶ

 萩生田光一文部科学大臣が先日テレビ出演した時のこと。来年度から大学入試に民間英語試験を導入する問題で、経済的・地理的な差でその公平性が脅かされるのではとの質問に対して、「身の丈にあわせて受験を」とのべました。


 私は耳を疑いました。家の経済的事情によって子どもたちの受験機会に格差ができることを容認したこの発言、そもそも文科大臣が子どもたちに対して「身の丈にあわせて生きていけ」と言い放つその感覚、これは決して見過ごすわけにはいきません。


 社会に存在するさまざまな格差を一つひとつ是正し、誰もが安心して過ごしていけるようにすることこそが政治の役割に他ならず、とりわけ未来を生きる子どもたちには、一人ひとりが持っている可能性を最大限に伸ばしていくことができるようにすることこそ、文部科学行政の一番の責務です。


 私自身も母子家庭の貧乏な家で育ち、塾にも通えずそれこそ受験機会も限定され、たいへん苦労をした一人です。政治はそういう子どもたちをぜひ応援し、後押ししてほしい、そんな政治を実現したいと願い、この仕事につきました。現職時代には希望をして文部科学委員会の担当にさせていただき、学校現場や子どもたちの深刻な実態の解決のためにと論戦に取り組んできました。


 今国会では、教員の1年単位の変形労働時間制を導入する法改正も狙われており、これを許せばさらなる長時間労働が固定化し加速化してしまいます。また国公立大学の授業料が各地で値上げとなり、さらに安倍政権が導入する修学支援制度によって授業料減免が受けられなくなる学生が多数生まれるという矛盾した事態まで起ころうとしています。


 まさに新大臣のもとで問題山積の文部科学行政。あの議場で再び質問したい、今度は萩生田大臣と正面対決をせねばとウズウズしますが、こんな時だからこそ子どもたちや先生たちの願いをじっくりと聞き、体いっぱいにつめこんで、さらなるたたかいに挑みます。