【11月3日付】琴浦町で保育無償化問題の講演会 保育の質の低下が心配

 鳥取の保育を考える会は1020日、保育研究所常務の逆井直紀氏を招いて幼児教育・保育無償化について考える講演会を琴浦町で開き、約50人が参加しました。


 逆井氏は「日本の保育料が高いのは先進国の中で保育費用の公的負担率が最低(半分以上が私費)だったことがある。無償化は負担軽減となるため制度面での前進だが、保育の質の確保の面では問題が山積している」と指摘しました。


 保護者側の問題について▽国が公定価格から食材費の4500円を抜いたため保護者負担が生じる▽高額所得者の保育料が無料になり優遇される▽保育料が高い0~2歳児が無償化の対象外▽消費税を財源とするため、長期的には保護者の負担は減らない―とのべました。


 保育所側の問題について▽私立は無償化の負担率が4分の1ですむが、地方交付税が減るなかで公立は10割負担のため公立の統廃合・民営化が促進▽認可外も無償化され、保育の質が担保されない▽各園が食材費を実費徴収する、無償化によって入園者が増える、8時間保育を11時間保育にする保護者が増えるなど、保育士がさらに多忙化する―と指摘。現状でも保育士不足だが、配置基準を改善しないとますます集まらないと強調しました。