【4月12日付】鳥取県新型肺炎 感染爆発にどう備えるか

東京で新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。


 お笑いトリオ「森三中」の黒沢さんも感染。3月21日発熱するも回復し、その後、味覚や嗅覚の異常を訴え複数の医療機関を受診しましたが、なかなかPCR検査が受けられず、「粘って、粘って、頼み込んで、やっと」4月1日にCT検査につながり、肺炎が見つかってPCR検査が受けられたそうです。


 感染すると、(鼻は通っていても)3人に2人以上が嗅覚や味覚がなくなるとドイツで報告されています。また、ダイヤモンド・プリンセス号の感染者112人のうち67%にCT検査で肺の異常が見つかっています。


 風邪の症状があって密封、密集、密接の状態(飲食なども)に身を置く機会があり、嗅覚や味覚に異常があればCT検査を実施し、肺に異常があればPCR検査を実施するという一連の流れを確立する必要があります。


 近日、実際の抗体検査キットは未完成品であり、性能の低さが指摘されています。抗体検査陽性ならPCR検査につなぎ、陰性であっても安心せずに予防策を講じることが必要です。


 繁華街での感染が増えており、感染経路が追えない患者が増えています。店のスタッフが感染しても客のプライバシーがあり、誰を接客したか言えない、または連絡が取れないなどです。こうなるとクラスターを見つけて封殺するという戦略のみに頼ることはできません。


 今後、重要になるのは、三つの密を避けるという社会的距離を保つ戦略です。国や知事が要請する外出や営業の自粛を感染防止策として実効性のあるものにするためには、経済的損失を補填するための補償が不可欠です。


 同ウイルスの流行が終息したとしても、それは社会的距離を保った結果であり、以前のような経済活動を再開すれば、また、流行します。集団免疫を獲得するまで流行と終息を繰り返します。感染防止と経済活動とのバランスを取りながら、テレワークやオンライン会議・授業の拡大など、移動と密集の機会を減らし、その間に特効薬やワクチンを開発するしかありません。


 緊急事態宣言などによって人権を制約することは、中央集権的な監視・管理社会につながるため、市民の自主的な取り組み(手洗い、消毒、マスク、密集を避けるなどの感染防止策)によって、流行を終息させることが重要です。


 治療薬では、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の臨床試験が中国で患者35例に対して行われ、CT検査で9割が肺炎の症状が改善、ウイルスクリアランスの中央値が4日、1割(4例)に下痢、肝・腎障害などの副作用が見られました。アビガンは妊婦や重症患者には使えず、軽中症患者が対象です。
 臓気管支ぜんそくの吸入薬「シクレソニド」、膵炎の治療薬「ナファモスタット」も有力視されていますが、ビタミンCの大量摂取も効果を上げています。


 上海市は患者へのビタミンCの点滴を認め、西安交通大学第2病院は2月20日、深刻な肺炎の患者4人を含む8人が回復し、退院したと発表しました。