【9月18日付】米子市で県が環境セミナーメタンハイドレートの現状と展望

 鳥取県は10日、米子市で環境セミナーを開催し、鳥取大学大学院工学研究科の海老沼孝郎氏がメタンハイドレートについて講演しました。メタンハイドレートは国産エネルギーとして期待されていますが、採掘方法が確立していません。


 海老沼氏は、砂層型と表層型があり、砂層型は南海トラフなどの水深1000mの海底の数百mの地下にある砂層の砂の間隙に存在し、石油の開発技術を転用して減圧法によって採取が可能だとのべました。


 メタンハイドレートは、水分子の篭(氷)の中にメタンが入ったもので氷を溶かせばメタンガスが中から出てきます。メタンハイドレートは、1気圧でマイナス80度以下、26気圧で0度以下、40気圧で3・5度以下、72気圧で10度以下の条件で存在し、減圧するか温度を上げるかすると溶解します。1立法㍍のハイドレートから160立法㍍以上のメタンガスが取れます。


 採取するパイプ(井戸)の中の海水を抜くことで減圧し、メタンガスを発生させますが、砂が入って目詰を起こす、吸熱反応で再氷結するなど生産性低下の問題や、海底の沈下、亀裂、ガス漏洩などの環境破壊を起こす可能性もあります。


 海老沼氏は、「砂層型で商業化に向けて技術整備が行われているところで、表層型では技術開発はこれからだ」とのべました。「表層型は、水深が500m(50気圧)以上と浅く、メタンガスを海底に噴出させるガスチムニーと呼ばれる円柱状の穴(直径数百m)の表層部に濃集し、日本海側に分布しています。現在までに1742カ所のガスチムニーが見つかっています」と報告しました。


 「メタンガスは天然ガスの主成分で、同じ熱量で比較すると二酸化炭素の発生量は石炭を100とした場合、石油が80、天然ガスが57です。天然ガスは液化(マイナス160度)する過程で二酸化硫黄は取り除かれ、二酸化窒素も石炭100に対し、石油が71、天然ガスが20~37とクリーンなエネルギーです」と強調。


 「日本周辺の埋蔵量は、石炭、石油、天然ガスの総埋蔵量の2倍にもなりますが、濃集して資源として利用できるものは限られています。日本の1次エネルギーの供給構成は、石油40%についで石炭と天然ガスがそれぞれ25%です。発電燃料の47%を占める天然ガスの97%以上を輸入に頼っています。技術が確立すれば新しい国産エネルギーになります」と話しました。


 メタンハイドレートに関しては、地球温暖化のために海水温が上昇すると、溶けて大量のメタンガス(温室効果は二酸化炭素の25倍)を放出する危険があると指摘されています。